世代を継なぐ
今年の夏は暑さが半端なかった。全国的に見て暑い地域で言えば、一歩も引けを取らない久留米市だけど、今年はどこもかしこも暑かったようで、日本の夏もついにここまで来たか、の感が否めない。
今や地球は温暖化といわず、沸騰化というらしい。
先日の西日本新聞に、伐採したスギ山の跡地に新たに苗木を植える、栃木県の会社の記事が載っていた。
日本には森の資源がいっぱいあるのに、それを新たに植える人がとても少ないため、今は切った面積の3割ほどしか植えられず、災害のこともあり結果、切ることが出来なくなっているそう。
悠久の森、上高地
CO2を吸って酸素O2を出し、温暖化を抑制してくれる木々。特に成長中の若い木はCO2を吸う量が多く、この時にCO2は幹や枝の中に炭素として取り込まれ、木材や家具になってもそのまま木の中に残るのだそう。
温暖化を食い止めるためには、面積の7割といわれている、日本の豊かな森の木を使い又若い木を植えていき、緑豊かな大地にしていくこと。それが最も重要なことだと言われているけれど、現実には人手不足や管理の問題でその循環がうまくいっていないそう。
7月10日未明。耳納連山で発生した線状降水帯は山のあちこちで土砂崩れが起き、田主丸町竹野区では土石流が発生。家屋を倒壊させ、犠牲者も出た。
ふもとの北側に並行して流れる巨瀬川は越水、氾濫して田主丸町、隣接する大橋町、善導寺町と広範囲に家屋が床上浸水し、田んぼも畑も農業ハウスも土砂に埋もれた。
普段の巨瀬川
越水5時間後の巨瀬川
知り合いの大橋町合楽の国道210号線沿いにある工務店は、倉庫、事務所、主屋全てに1mの土砂が流れ込み、車5台は水没。復旧には数か月かかるもよう。
線状降水帯の恐怖を目の当たりにしたのは、2017年の朝倉豪雨の時。
あの時は、滝のような雨でワイパーが追い付かず、これは尋常ではないと思っていたら、朝倉の山に、線状降水帯なるものが次々発生。数え切れないほどの土砂崩れと多数の犠牲者、家屋が倒壊する未曾有の大災害となった。
土砂の流入した農業倉庫
イチゴハウス、苗が全滅
被災ゴミ処理が追い付かず
朝倉地方の山は真砂土で、大量の雨が降れば、持ちこたえられず、土砂災害になりやすいと聞いていた。対して耳納山は岩が多く、土の性質も違うため崩れにくいのではないかと、根拠のない安心感を持っていたけれど、ひとたび線状降水帯がとうり豪雨となれば災害はどこでも起こりうることを今回は特に再認識した。
特にこの数年間、梅雨の末期には日本中で短時間に数百mlの雨が降り、必ずと言っていいほど甚大な被害が出る。
今年被害にあったから、来年は大丈夫という保証はどこにもない。
世界のニュースを見てもわかる通り、人類は常に災害と隣り合わせで暮らしていかなければならない時代になったのだとつくづく思った。
加えて、今年の暑さはどうだろう。太陽の日差しは何時にもまして強烈で、身の置き所がない。通年、暑熱順化を自負している屋外労働者のこの身でも、いつ熱中症になるかと恐怖の日々だった。
既に我慢の限界はとうに越して、クーラーなしでは生きていけない。
夜は熱帯夜で、朝までつけなければ眠れず。かくして温暖化は加速度的に進むのだろう。
科学者や政治家、企業のえらい人たちが、防止策に取り組んでいるのだろうけれど、現状はますます悪くなるばかりで、将来への展望が見えない。
山や森や街の木々。空気を浄化して、生きものを呼び込み、何より木陰を作る。
炎天下の戸外と木陰では、体感で7~8度差がありそう。灼熱の日向と涼しい日陰。
まさに天国と地獄!(大げさでなく)
地温の上昇を抑え、大地を冷ます。生物にとって、大きな恵みをもたらし、温暖化を食い止める木々だけれど、現実には街路樹を見てもわかる通り、落葉が面倒とかでどちらかと言えば、邪魔者扱い。
都会では再開発で、風情ある街並みが失われつつある。
昔の集落にあった鎮守の森や防風林のように、人々が暮らす住居スペースに隣接して小さな森を造ってはどうだろう。たまの落葉掃除はシルバー世代に受け持ってもらって腐葉土作り。懐は潤って、運動にもなって。
大きくなりすぎた木は切って、建築材料にしたり、土壌改良剤にしたり。
何より緑が身近にあれば、見える景色がより潤いのあるものになると思う。
栃木県那須塩原で、山の木を切った後に苗木を植える仕事をしている会社「青葉組」
きつくて、暑くて、使えるようになるまでに50年かかるそうだけれど、若い仲間が日本の山を守る、という志をもって楽しく働いているそう。
掲げる目標は「未来の森を、今つくる」。
将来に明るい光がさすようで、カッコイイ!
猛暑の中ずーっと咲いていたミソハギ
2023.09.08 | | トラックバック(0) | 未分類
